2012年3月7日星期三

言語理解の過程


 言語理解の過程(トップダウンの処理とボトムアップの処理)

言語理解の過程の中で、トップダウンの処理とボトムアップの処理、記憶、心理言語学を含まれまている。トップダウンの処理とボトムアップの処理は言語理解と情報処理のプロセスとして重要な役割を果たしている。
読解とは書かれた文章を読んで理解することであり、聴解することであり、聴解とは話された文章を聞いて理解することであるが、この情報処理のプロセスには、トップダウンの処理とボトムアップ処理といわれている。

1.トップダウンの処理
トップダウンの処理とは、予測、推測などと言った認知のプロセスが入力情報処理に対し枠組みや制約を与え、単語の認知や文章の意味把握にプラスの影響を与えるというものである。
すなわち概念駆動処理とは、すでに読んだ文章の一部や関連する既有知識を利用して、これから読む文章の内容や構成についての予測を立て、それに基づいて文字、語、文、文章の意味を予測し、検証する情報の流れである。
例えば:目次を読んだりして文章全体の構造を把握したり、文章の頭に適切な題目や前置き文を与える、すでにもっている知識を活用するなどにより、重要な部分に選択的な注意を向け、その文章の理解、言い換えれば心的表象の構築を促進すると言うわけである。

2.ボトムアップの処理
ボトムアップの処理も文章全体の理解を促進する。たとえは節と節、分と文、文章と文章とを適切な接続詞や接続助詞などでつなぐことで、文章全体の要素の結束性を高め、それが文章全体の理解把握につながるということがある。
すなわち(データ駆動処理)とは、読み進むにつれて目に入ってくる情報を少しずつ組み合わせ、その情報と読み手の知識をつき合わせることにより、文字の知覚、語の認識、文の理解、文章の理解を行う情報処理の流れである。
例えば:コソアといった指示詞を適切に用いる(指示関係、空間関係)、文の配列、時間的な前後関係を明示する語句を適切に用いたりする、因果関係を表す語句を用いるなどにより、文章のつながりを高まる。

3.両方の関係
この2種の処理は相補的にかつ同時に行われ、必要に応じ意味の修正がされながら文章全体の意味の構築がなされるとされている。言語情報の認識においては、トップダウン処理とボトムアップ処理の両者がバランスを保ちながら働いている。
例えば: 外国語を聞いていると、いわゆる「そら耳」を体験することがある。これは、その外国語に不慣れだとよく起こる。前後の文脈とは関係なく、馴染みの単語に聞き間違えると言う点で、ボトムアップ処理とトップダウン処理が複雑に絡み合った現象だと考えられる。
一般的に文章を理解しようと思って読んだ場合、脳内に残った記憶は、その形式そのものではなく、意味により再構成されたものであるといわれている。だから、文章の理解とは両方のつむぎあいによって進んでいくことである。

2012年3月6日星期二

異文化接触と日本語教育


1.人口の移動と日本語教育
オールドかマー:
主に戦前に朝鮮半島から日本の殖民地政策によって日本にやってきて、日本に永住するようになった人々とその子孫を指し、現在およそ64万人の人々が日本でくらしている。
ニューカマー:オールドかマーに対して、日本の国際化とともに就労や就学を目的に来日した外国人はニューカマーと呼ばれる、これらの人々はおもにブラジル、フィリピン、中国、韓国、ペルーなどの南米やアジアからやってきた人々である。
外国人口の変遷:1979年にはインドシナ難民の受け入れが始まり、また1972年の日中国交正常化に伴う中国からの帰国者が1980年代に増加したこととあわせて、1980年代には定住を前提として、外国出身者の本格的な受け入れが始まった。さらに、1990年入管法の改定以降は、就労を目的とする中南米日系人とその家族を中心とする外国人人口が急増した。
外国人口増加の原因一つ:日本の少子高齢化社会を迎え、若年層の労働力不足を補うために海外からの労働力の導入は、高齢化する日本社会の活化性につながると期待されている。

外国人の受け入れ状況の変化とともに、日本語教育においても学習者が多様化し、それに伴って教授法や教師の役割の変化などが見られるようになってきた。

2.学習者の多様化と日本語教育
日本語教育の対象として考えられたのは、留学生、就学生などのいわゆる「学生」が主であった。1984年の留学生10万人計画は2003年に達成され、留学生の出身地5位は、中国、韓国、台湾、マレーシア、ベトナムである。アジア地域の留学生数は9割以上を占めている。日本はアジアの一員として考えると、留学生に対する日本語教育が重要な位置を占めている。
大部の留学生に対して定住型の就労者や彼らの家族に対する日本語教育が大きな課程となってきている。重要な役割を果たしていたサポート方法はボランティア教室がある。

2012年3月5日星期一

言語使用と社会

1.言語変種
1.1地域差(方言)
方言:言葉の地域差をさす言葉
標準語:規範となる言語として制定されたもの
共通語:東京で使われる言葉を基礎として、自然に全国で使用されるようになった言語
地域差は音声、文法、語彙などに現れる。音声について、地方によって唇の丸めの強さが違う、アクセントによって語の区別をするがある。また、標準語と方言の相互干渉によって生まれた、従来にはなかった新しい表現式のことはネオ方言といわれる。
1.2性差
日本語の場合、性別による言語使用の違いは、人称代名詞、終助詞、敬語などに顕著に現れる。言語では男性と女性用語が区別された、言語表現だけではなく、相互行為においても広く男女差があると言われる。
1.3レジスター(言語使用域)
話者の属する地域的属性による変種である地域的や、性差などの属性による変種と異なり、このようにコンテクストによって選択される言語変種をレジスターと言う。

2、言語運用のルール
2.1談話分析
談話分析は、1960年に言語学を中心として成立した分野である。文を超えた談話と言う単位を設け、従来の文の文法では扱うことのできない、談話の構造のまとまりや意味のまとまりもまたらす照応や繰り返し、省略などについて研究を行っている。
2.2会話分析
会話分析は、サックスによって創始され、実際の会話に繰り返し現れる言語使用のパターンを取り出す、そのルールを明らかにしようとする。会話の基本段位を1つの発話の順番年、録音された会話を詳細に文字化し、それを元に、話者交代、隣接ペア、優先応答体系、修正、などを手ががりに一見無秩序に見える会話の仕組みやルールを明らかにしようとする。
2.3社会言語能力/社会文化能力
発音、文法などの言語能力に対して、言語を実際の場面に応じて適切に使う能力は社会言語能力と呼ばれる。それに対して、社会文化能力は、社会・文化背景を理解し、社会の決まりごとに沿って振舞ったり、コミュニケーションをする能力のことを指す。
私たちの日常生活で、謝罪、挨拶、要求、招待、拒絶、不満の表明などの行為を、言語を用いて行っており、このような発話行為は、コミュニケーションにおいて重要な機能を果たしている。

3、言語非言語行
人間のコミュニケーションは主として言語にようって行われている。しかし、実際にはコミュニケーションの手段には言語以外にもさまざまなものがある。たとえば:顔の表情、姿勢、視線など。
パラ言語、は声の大きさ、テンポ、声の高低、抑揚などを指す、豊かな情報を伝える、特に、今の携帯電話でチャットしている時に用いた絵文字はパラ言語の一種である。

2012年3月3日星期六

言語と社会の関係


言語と社会の関係
1、    世界の言語事情と言語政策
社会のグローバル化に伴い、人の移動に伴い、言語もボーダーレスの時代を迎え、言語間の接触は増加の一途をたどっている。
2、    言語接触によって生じる言語現象
  バイリンガル
言語接触などの理由で、自分の母語以外の言語を母語とほとんど同じように習得している人のことを、一般的にバイリンガルと呼んでいる。バイリンガルの言語能力については学問的にははっきりとした定義はなく、母語以外の言語能力が4技能のうちに1つでも習得されていれば、バイリンガルと呼ぶ場合もある。
  コードスイッチング
バイリンガルの人が会話などで2つの言語を使い分ける現象のことをいう。なぜ使い分けるのか?一つは、相手と自分の関係を確認・調整したり、適切な認識を示したりをしているコミュニケーション。もう一つは、知っている言語の中から適切な言葉遣いを選んで用いることによって、情報をより効果的に伝えるということ。
  ピジン/クレオール
異なる言語を話す人々が接触するとき、さまざまな方法で意思疏通を図ろうとし、お互いの言語が混合し、新たな言語が生まれる場合がある、その初期の階段の言語がピジンと呼ばれる。ピジンは国の政策と集団の変化に従って、消滅してしまう場合もあった。一方、ピジンが世代を超えて受け続けがれ、それを母語とする人々が生まれる場合もあり、その母語話者を持つにいたったピジンはクレオールと呼ばれる。
  ダイグロシア
ファーガソの提唱した用語、フィリピンでは人々は、フィリピンの言語と英語を使い分けて使用している、このようにお互いに機能を異にする2つの言語、あるいは言語変種が、同時に存在する状況をダイグロシアと言う。
3、    言語政策
1つの共同体の中に複数の言語や言語変種が存在する場合に、国家がそれらに対して組織的に統制を加え、ある特定の社会的機能を付与するような言語政策を行う必要が生じてくる。言語政策によって、象徴的な役割を果たす「国家語」、実質的な機能を果たす「公用語」などを定める。例えば:シンガポールのマレー語、英語を中心とした3言語政策、オーストラリアの白豪主義から多文化主義へという政策、カナダの多文化を許容するモザイク社会という政策、アメリカのイングリッシュ・オンリーからイングリッシュ・プラスへの政策。

2012年3月2日星期五

教授法


教授法
教授法といっても、アプローチ、メソッド、テクニックとさまざまな呼び方がある。メソッドはアプローチを踏まえて確立された教授法であると解釈する場合もあれば、アプローチとほとんど同義で用いられる場合もある。またテクニックは実際的な技術を指すが、メソッドとあわせて広い意味で教授法と呼ばれる場合もある。いずれにせよ教師は、教授法を選択する際、テクニック面だけでなく、その背景にある教授法や理念を把握し、それらを踏まえた上で、上述した到達目標を達成するために最適な方法を考える必要がある。

文法翻訳法
中世ヨーロッパのギリシャ教育・ラテン語教育から始まった伝統的な教授法である。特徴は、文字言語を重視することであり、学習の目的は、目標言語で書かれた文学作品が読めるようになることである。

ナチュラル・メソッド
19世紀後半、文法翻訳法に代わる教授法としてナチュラル・メソッドが提唱された。この教授法とは、外国語習得の最良のモデルを、幼児の母語習得の過程にみるものであり、グアンとベルリッツが代表的な提唱である。
     グアンの教授法は、特に幼児の心理的発達に注目することからサイコロジカル・メソッド、また、すべての出来事は、小さい出来事の連鎖として記述できるとしたことから、連鎖法とも呼ばれる。
     ベルリッツが指導訓練を受けたネイティブ・スピーカーの教師による少人数のクラス編成で、教室活動から学習者の母語は排除し、実物、絵、動作などを多用する。発音に関しては教師のモデルを真似させる方法とり、母語による説明などを行わないのが特徴である。

フォネティック・メソッド
19世紀後半、文法翻訳法に代わり提唱されたもう一つの教授法にフォネティック・メソッドがある。音声重視の教授法であり、文字言語は音声言語に付随的なものであるという考え方に基づいている。

オーラル・メソッド
20世紀に入り、パーマーが提唱した教授法である。パーマーは、スイスの言語学者ソシュールの、言語能力には社会的側面と個人的側面であるがあるあとする考え方に影響を受け、言語には、記号体系と運用の両面があるとし、言語教育が対象とすべきものは「運用」であるとした。

直接法
一般は、ナチュラル・メソッド、フォネティッツ・メソッドなど、文法翻訳に代わって生まれた、使われる場面や状況を提示することによって、分や語の意味を、直接目標言語形式と結びつけて理解させようという教授法の総称を指す。

ASTP
第二次世界大戦中、米国政府は、対戦国に関する情報収集にあたる将校を短期間に養成する必要があった。ASTPでは、上級教師とドリル・マスターの2種類の教師がおかれた。













2012年3月1日星期四

カテゴリー化と意味記憶の密接な関係は何ですか?

カテゴリーは共通の属性を基盤としているとする古典的見解が全体的に誤りである。
われわれは、たびたびそういった仕方で事物をカテゴリー化しているが、それはカテゴリー化全体から見ればほんの一部分にすぎない。実際、カテゴリー化ははるかに複雑。

カテゴリー化の新しい理論→プロトタイプ理論

人々が実際にどのようにカテゴリー化を行っているか、その複雑な様相を概観する必要がある。


カテゴリー化の重要性
行為は、様々な運動行為の中のある特定のカテゴリーに属している。
行為がまったく同じように繰り返されることはないが、細かい動きの違いにもかかわらず、みなある同一種の動作であり、われわれはその種の動作をどのようになすべきかを心得ている。

大方のカテゴリー化は自然で意識されないもので、もし多少なりとも意識することがあるとすれば、それは何か問題がある場合に限られる。

カテゴリーは大部分は物体ではなく抽象的事物に関するカテゴリーである。人間の思考に関する妥当な説明は、それがどのようなものであれ、具体的あるいは抽象的な、すべてのカテゴリーを説明する正確な理論を提供しなければならない。


意味記憶:真理や事実に即した知識で、一般的な知識である。
例えば:「泣く」のように母語の基本語彙においては、学習時の状況に関する記憶(つまり文脈情報)はすっかり消えてしまって、意味の記憶げきが残る。

2012年2月28日星期二

認知学習理論


認知学習理論
生成文法理論と認知心理学に基づいた教授法である。
「人間の脳には無限の発話を創造する能力が存在している(チョムスキー)」と言う主張を持って、「文法」を発話文の作り出された規則として、「場面」の中に練習し、演繹的な教育法を採る。
 特徴として、人間の認知能力を利用して言語規則を理解させ、その上で言語習得のための練習をする。
     対照研究認知論的意味:学習者の母語と目標言語の音声・言語構造・文化習慣などを対照し、その相違を認知させることが学習上必要である。
     母語使用の解禁:言語規則や教育内容の意味の説明に学習者の母語を使用し、その正確な理解を図る。
     4技能重視:スピーキング、ヒヤリング、リーディング、ライティングを含めた4技能を平等に重視する。
     学習者の認知能力重視:新しい学習項目の導入は、既習の項目に関連づけて行う。学習者自身が既習の項目から新しい学習項目を発現することによって学習効果が向上する。
     意味を重視した練習:練習内容を意味あるものにする。オーディオ・リンガル・アプローチの文型練習のような機械的練習を避けて、学習者自身にかかわりのある内容の練習を行う。